5回目の登場、青沼ますみです。
春ですね! 桜が咲き始めました♪ 純粋にうれしい~~~
今回は、私が人生にTAを組み込もうと決めたこと、つまり国際TA協会が規定する基本資格であるCTAを取ろうと決めた経緯と、その為にトレーナーと契約を交わした後の、さまざまな出来事を〖トレーニング〗という枠組みで振り返っていきます。
TA101を受講したあと、大阪のTA教育研究所に応用理論や概念を学ぶために通うなかで、私にはさまざまな“想い”が湧いてきていました。
1つの理論・概念をある出来事にあてはめて考察することで自己分析力が身につき、自分探しの旅をすることはとても楽しい。つねづね、TAは壮大なパズルだと説明しているように、パズルの1つのピース、例えば自我状態モデルを用いるだけでも、その人の状態、その出来事の“在り様”を考察することができます。
ピースとピースを組み合わせるとさらに、深い考察と内省が起こってくることに味を占めた私は、仕事が忙しい時期でも休まず講座に通い、次々に異なる応用概念に魅了されていきました。
通う中で、自然に仲間内から出た話が資格取得の話題でした。
馴染みのない英語の文章に四苦八苦しながら「どうやら筆記試験は日本語で提出でき、口答試験は通訳付きで受験できる」という具体的な情報を得て、当時いくつかの講座を掛け持ちして学習に勤しんでいた私ですが、浮気心を押さえ、この試験一本に絞って“受けてみようか…”と思うようになりました。
そこで3人のトレーナー資格(教授会員、准教授会員)を持つ先生のなかで、女性のトレーナーと契約を交わし、資格を取ることに決めました。
この時点で、私は「トレーニー」と呼ばれるようになったわけです。
2006年初め。既定の膨大なトレーニング時間数を順調に消化するとして計算すると、5年後の2010年の大会で試験を受けられるぞ! となり(その後その年はカナダで開催される、そしてそれは国際TA協会創立50周年記念の大会だと後で分かったのですが)、カナダ大会でCTA試験を受けることに照準を合わせていく事にしました。
当時の仲間は7,8人いたように記憶しています。
契約後は、毎月グループでトレーナーの元に集まり、さまざまな「グループトレーニング」を受けました(その時間はグループスーパーヴィジョンといいます)。
・グループで学ぶ
・個人で学ぶ
・実践から学ぶ
・スーパーヴィジョンから学ぶ
・他の関係する学びから学ぶ
ここで、特徴的なエピソードを2つ紹介します。
まず、グループで学ぶ時間のうち始めの頃を思い出してみました。
スタート時、そのグループで何が学べ、何が起こるのだろう……と心は弾み、同時に不安がいっぱいでした。メンバーの職種は多彩で、心理学の専門家や臨床心理士の資格を持っている人がいました。当時はメンバーがやたら賢く見え、自分が知らないことを知っているとすぐに「ああ、私はまだまだだ」と自己評価して、帰り道は“落ち込みながらとぼとぼ”と帰ったりしました。
今なら「始めたばかりで100点なんかあるか~~~い!!」と突っ込みを入れると思います(笑)
幼い頃、非常に小食で人見知りの激しかった私は、母が焼いた玉子焼きの入ったお弁当を持ち、近くの川の堤防まで一人でとぼとぼ歩いて行き、お弁当を一人で完食して、またとぼとぼと帰ってきた……という、むかし語りのなかで母から聞かされたエピソードと重なってくるような光景です。
グループに居る楽しさを味わいつつも、一人で物事を完了するやり方……そして孤独感。
今なら、これこそが「私らしい」につながることを理解していますが、当時はまだTAの学びも浅く、ただただ不思議な感覚を持ちながらグループスーパーヴィジョンに通っていました。
この時のメンバーの多くは、2021年現在は念願のCTAを取得しており、その仲間と学びを分かち合う関係は今も続いています。
長きにわたる仲間との関係の中で判明したことは、“全員が、同じような期待や不安の両面を抱えて、あのグループに属していた”ということです。
ここを読んだ読者は、「いや、みんなふつうはそうだろう??」と思うでしょうね。
確かにみんな何かしらの想いや気持ちを持ち込んでくるわけですが、その時はその状態を明確に言語化して掴んでいなかった私ですから、後々、その優秀な仲間から「あの時は本間に不安やったわ~~」と聞かされてびっくり仰天したわけです。
・グループイマーゴ
・準拠枠
・内的自我状態
・シンビオシスと転移感情
・コントラクトとその心理的側面
・3つのP などなど
すべてTAの用語です。応用クラスには、汎用性の高い概念のピースが目白押し!
(応用コース、始めます)
5年間のグループスーパーヴィジョンでは、さまざまな体験をすることができたわけですが、個人情報も含まれるのでここでは紹介は控えます。
喜怒哀楽……トレーナーとトレーニー、トレーニー同士、各自の背景の中でいろいろ学ぶことができ、それは私のTAの血となり肉となっています。
で、
後半になると、自分の実践も非常に濃厚なものになってくるので、その体験を個人スーパーヴィジョンの「成長課題」として持ち込むことになります。いくつかのエピソードから学んだことが、〖TAで社会に調和する人を育てる〗という私の成人教育者としてのアイデンティティにもつながっていく、実践的な学習サイクルになってきました。
その実践的体験を記述するのが「筆記試験」であり、そこで書かれた濃い体験の積み重ねが口答試験の合格に結びついていくわけです。
・心理ゲーム/ラケット感情
・ライフ・ポジション/OKコラル
・やりとり分析/ストローク
・ミニスクリプト
・実践的教育のTA概念
・5つのP
・自律のための気づき・自発性と親密さ
・グランドルール などなど
職業教育の現場で私が体験する全ての出来事・対人関係と私の在り方……をTAで内省し考察し、課題設定、行動化→変容
このトレーニングが十分にあってはじめて、口答試験で目の前の4人の〖温かい目をした試験官〗達に生き生きとした現場の報告ができ、TAで学ぶ場を創る素晴らしさを話し合うことができるのです。
で、トレーニング期間後半の出来事。
ある企業、といっても個人的にゆかりのある大手企業の[課長クラス]に部下面談に使える傾聴訓練をいれた研修をしてほしいとの依頼を受けたときのこと。その当時“乗っていた(笑)”私は、意気揚々とその仕事を引き受けたのです。
TAを学ぶおかげで、研修内容も充実し、自分の腕にもちょっと自信が出てきた頃。
30人~35人1グループを3回、延べ100人規模の研修企画です。
フリーランスの私にとっては、大口の仕事となる良い企画でした。
十分に内容を吟味し、実習やグループで話し合ってもらうケースも整え、いざ現場へ!!
ところが、1回目から恐ろしいことが私の身に降りかかったのです。
受講生は、高学歴のエリート課長さん。日々業務に邁進しているその仕事のプロ。
受講態度もスマートで協調性高く協力的。
発言もそれなりに・・・。
絶対うまくいく……帆に風を受けて意気揚々と出港した青沼丸でしたが、沖合に出たとたん、ひとりの受講生の発言と態度で座礁しかけたのです。
もちろん表向きは何もなく、研修自体も無事に終了したわけですが、私の中では船は木っ端みじんの沈没寸前……ホウホウの体で帰還したというような状態でした。
“一体、何が起こっていたのか???????”
“あの人は何がしたかったのか????”
“私はあの時、もっと違うことが言えたのに!!!!”
企業の教育訓練は一期一会、長くお付き合いできる人もいれば、1回こっきり、一生出会わない人もいるのだからそんなのケセラセラ~と笑い飛ばし、次の仕事に向かう人もいるでしょうが、生憎私はそんな勇気凛々のアンパンマン気性ではなく、“ひとりとぼとぼ……”がちょっぴり私らしいわけですから、このままこの体験を放置しておくのは良くないなと、トレーナーとのスーパーヴィジョンにこの話題を持ち込んだのです。
この時点では、上にざっくり挙げたような教育現場に汎用できるTAの概念の多くを自己内省と考察に適用できるようには成長していましたが、衝撃的にうまくいかなかった経験で落ち込み、自分のライフポジションにどっぷりハマっている状態では、なかなか自力で抜け出してI‘mOK, You are OKポジションに戻ることができません。
そういう時のスーパーヴィジョンは非常に即効性が高く、行動変容に直結します。
で、分かったことは、上記応用概念すべてをつかって分析できるということ。次の回までに私の戦略を立て直すことは十分に可能であるということ。そしてなによりも「あの出来事は、私のせいではない」ものの、同じことが繰り返されないためには「私が腕を磨くことで、研修現場にいる全員を守ることができる」ということ。
この後の2回目3回目は、1回目はなんだったんだ? と思うほど劇的に改善され、研修はスムーズに進み、受講後アンケートにも私が当初ゴールにしていた〖部下との面談は○○に留意して対話したい〗というような文章が並びました。
トレーニングの後半、この体験を経て、自分がTAを使える講師にやっとなれた! という実感が沸いたエピソードの中身(生き生きとした実践体験)については、私がトレーナーになった際には、大切なトレーニーさんたちと分かち合い、生き生きと語り合いたいと思っています。
もちろん、5年間のトレーニング体験のなかには仲間との楽しい時間や経験も多いし、反対に“ああ、これがゲームだ……”という辛い出来事も数えきれないほどありました。
しかし、TAを“身につけよう”と決意した時点で、私なりの生きにくさは劇的に改善され、その改善の中身は学び続ける限り今も続き、私だけの体験と共に発展しています。
2021年春ーーーーー
CTAトレーニーと名乗っていたトレーニング期間をいとおしく振り返る中で、やはりたどり着くのは、「エリックバーンとその仲間たちって、本当にすごいこと考えついたんやな~~~」というシンプルな感動。
皆さんもそういう体験を私たちと共有してみませんか?
春の講座が開講になります。
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