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時間の構造化とおとめ座の季節

第四十三回:米山高史

ヨネさんこと、米山高史(よねやまたかふみ)です。

【 おとめ座の季節 】

先月8/23に太陽が「しし座」から「おとめ座」にイングレス(注)し、占星術の世界では私たちは「おとめ座の季節」を過ごしています。

(注)イングレス:占星術の用語で、惑星が星座から別の星座に移動すること。なお占星術では、太陽と月も惑星に含まれます。

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「おとめ座」はその名の通り、「潔癖」であったり、「よく気がつく」といったりした性格を持つ星座といわれています。

そして、おとめ座の支配性は水星。

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「水星」はギリシャ神話で「ヘルメス」の星といわれています。

(「水星」「ヘルメス」については、ブログ「水星の逆行とやりとり分析」をご覧ください。)

オリュンポス十二神の一人で「神々の使い」の役目を務めているヘルメスは、旅人や商人の守護神です。

ヘルメスが手にしている杖「カドゥケウス」の翼や蛇のデザインは、商業教育機関の校章に使われることが多く、渋沢栄一の援助を得て商学専門の官立大学として設立された一橋大学でも採用されています。

そんな水星を守護星に持つおとめ座は、「手を抜かずに仕事をする」ことが得意。

地道にコツコツと物事を進めることが出来ます。

一方で、同じ水星を守護星に持つふたご座がコミュニケーションを得意とするのに比べて、コツコツ型のおとめ座は、孤独を愛し、時には「引きこもる」ことがあるとも言われています。

【 TAで「引きこもり」と言えば…… 】

TAの理論で「引きこもり」と言えば、「時間の構造化」を思い出す人が多いのではないでしょうか?

時間の構造化の必要性は、3つの飢餓(本能的な欲求)に基づきます。

まず、第1は「刺激」の飢餓

人間を含むほとんどの生物は「何もない」状況よりも、「刺激的な」状況を好みます。

次に、第2は「承認」の飢餓

私たち人間は、他の人間から「承認」を得られないと、衰弱してしまいます。

そして、第3が「構造化」への飢餓

私たちは時間を構造化しないと居心地が悪く、グループや組織に属している時にはその欲求はより強くなります。

そして、人は時間の構造化を行うとき、

・ 引きこもり (Withdrawal)

・ 儀式    (Rituals)

・ 暇つぶし  (Pastimes)

・ 活動    (Activities)

・ ゲーム   (Games)

・ 親密    (Intimacy)

の、6つの社交上の行動を選択することが可能です。

この6つの方法はストロークを関連付けられていて、「引きこもり」から「親密」へ、下に行くほどストロークの強度は強くなります。

【 時間の構造化 】

第1の「引きこもり」ですが、これは必ずしも一人の時の状態とは限りません。

人がお互いに表立って会話していない状態と言われます。

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例えば、通勤電車の中でスマホを眺めている時や、会議中に今夜の飲み会のことを考えている時も、「引きこもり」の状態かもしれません。

引きこもっているので、得られるストロークはほぼゼロと言えるでしょう。

第2の「儀式」は定型化されたやりとりです。

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「おはようございす」というあいさつや、式次第のある式典のやりとりなどがこれに当たります。

ほとんど情報を伝えることはなく、相互承認の性格が強いものです。

若干のストロークが得られるでしょう。

第3が「暇つぶし」です。

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これは「儀式」に比べると定型的ではありません。その場で完結し、無難なテーマを無難な方法で話します。「気晴らし」という日本語訳が使われることもあります。

そこそこのストロークが得られますし、簡単な行動のように感じられます。

しかし、人によっては上手に「暇つぶし」をするには訓練が必要です。

また、心理ゲームにつながってしまうこともあります。

第4は「活動」です。

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一般的に「仕事」と呼ばれるものです。

ここでのやりとりは、Aの自我状態が主であり、特定の目的に向かうためのものです。ですから、授業を受けたり、子育てをしたり、といったことも「活動」です。

「活動」は多くのストロークが得られますが、ここ最近では「活動」がWeb上で行われることが増えています。これまでとは異なるストロークのやりとりに、ストレスを感じている人も多いことでしょう。

第5が「ゲーム」です。

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「ゲーム」は一連の裏があるやりとりで、繰り返される性質があり、最後には双方とも嫌な感じがします。

得ることが出来るストロークは「活動」よりも大きいのですが、それは否定的なものです。

最後の第6が「親密」です。

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「親密」は心理ゲームを超えたところにある限定的なケースで、6つの中で最も多くのストロークを得られます。

双方からの「親密」は、率直で心理ゲームのない関係、利己的な利用がない関係です。

また「親密」はどちらか一方からの場合があり、一方は率直にストロークを与えるけれど、もう一方は利己的なストロークを与えるかもしれません。

けれど、それを「不公平だ」と不満に感じることはありません。

第10回エリック・バーン記念科学省受賞論文「ストローク・エコノミー」で、クロード・スタイナーは

「与えたいストロークがあれば、そのストロークを与えよう。」

と、提唱しています。

ストロークは無くなることはないのですから、わたしたちは「親密」を目指して率直なストロークのやりとりを心掛けたいものです。

「引きこもり」 「儀式」 「暇つぶし」 「活動」 「ゲーム」 「親密」

それぞれの行動をどんな割合で選ぶかは個人差があります。

(ただし、否定的なストロークを得ることになる「ゲーム」はお勧めできません!)

暑い中でのお仕事や夏休みの子育てといった「活動」がハード過ぎた「しし座の季節」が終わり、

「おとめ座の季節」の今は、少し「引きこもり」の時間があってもイイのかもしれません。

【 おとめ座の新月 】

今月は9月7日の火曜日が「おとめ座」の新月です。

西洋占星術では、新月のタイミングで願い事をすると、太陽と月のダブルのパワーを借りることが出来て、願い事が上手くいくと考えられています。

(以前のブログ「グレート・コンジャンクション」をご覧ください。)

太陽と月が完全に重なるのは9月7日の9時50分ごろ。

「手帳にお願いを書いて」おくのもOKです。

水星を守護星に持つ「おとめ座の新月」には

「仕事で成功したい」

というお願いや

「途中であきらめずにやり続ける」

といった目標を立てるのにピッタリです。

「しし座」の季節に見つけた「自分が夢中になれるもの」を

「おとめ座」の新月へのお願いで、「続けて」みるのもいいかもしれませんね!

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ストロークと言えば、この人

9/20(祝)開催のWSは、第10回エリック・バーン記念科学省受賞論文

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