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TAの学びを通して感じること

第六回:降幡浩康

· 定期投稿

私がTAを学び始めて3年が過ぎました。

この3年間途切れることなくTAを学んできました。

これだけ継続できているのは、「TAが楽しい!」ということがまずあります。

NC(Natunal Child:自然な子ども)が「楽しい~!」とワクワクし、もっと知りたい、もっと学びたい、と言っています。

すべての行動の原動力はNCが心から楽しいと思うことです。

その意味では、今自分のTAに対する学びへの想いは、とても納得感があります。

そして、TAの学びを通して、「自分てどんな人?」「自分はこんな人!」と自分を見つめ直し向き合うことができ、「今」起きていることを俯瞰し、一つひとつに反応せずに対応するようになりました。

嫌なことや辛いこともいろいろ起りますが、その事に囚われ過ぎず、できる限りA(Adult:成人)を働かせることを意識するようになりました。

今自分に起きていることを俯瞰的に見ることができるのは、自分の性格にもあっているからかもしれませんが、TA理論の裏付けは大変心強いものになりました。

そして今、私は国際TA協会(ITAA)の国際資格 CTA(Certified Transactional Analysis:公認トランザクショナル・アナリスト)取得を目指すCTAトレーニーになっています。

これからは、自分で学ぶだけではなく、多くの人に広くTAの楽しさやすばらしさを伝える役目が加わります。

改めて、これまでを振り返ってみて、TAの学びを通して感じたことがあります。

それは「学ぶ」ことは自分が進化することであるとともに、学んでいる「TA理論」も進化しているのだ、ということです。

これまでの私は、学んだことは正しいことであり、そこで「完了」していました。

先生が教えてくれたことは全肯定で受け入れ覚える、それが正しい学習スタイルだと肌感覚で感じ、染み付いています。

今、TAを学び続けることで、TAの新しい解釈や理論に触れ、「理論も進化しているんだ!」という、目からうろこというか、目の前の見えない壁が崩れた感じがしました。

一般論として、学問は進化し続けていることは理解していましたが、どこか遠い世界の話に感じ、自分には関係ない遠い感覚でした。

自分たちが学生時代に学んだことが、新しい理論や発見により解釈が変わっていることも聞きますが、「へ~、そうなんだ、すごいなぁ」くらいの感覚でした。

TAは基礎を学びながらも、同時にその発展過程や解釈の違いなども知ることとなります。

すると、理論の基礎をしっかり理解することは前提として、詳細を調べていくと、理論に対して様々な解釈があり、「誰が言っている理論」なのか、「自分はその理論を支持できるのか」という問いが生まれてきました。

この問いに気がついたとき、ちょっと興奮しました。

学ぶことは基礎の基礎。

理解することは「深く学ぶ」ことであり自分の解釈が求められるということ。

伝えることは自分が支持するものを決め、自分の意見として述べるということ。

とくに「自分で決めること」の必要性を知ったのは、自分にとって大きな気づきでした。

知っていることと理解すること(腹落ちする事)は違うのだと感じた瞬間でした。

もう少し詳しく見てみましょう。

◆TAの学びを振り返る

私は2017年秋からTAを学び始めました。

2017年

・TA101・コース(初級入門コース)

・TAハッピーカードワンデーワークショップ

2018年

・TAアドバンス・コース(上級コース)

・スーパーバイザー養成コース(TAの視点に立ったスーパービジョン講座)

・TAハッピーカードインストラクターコース

2019年

・TAアドアド・コース(『伝える』を視点にした体験学習コース)

・スーパーバイザートレーニングコースⅠ

2020年

・スーパーバイザートレーニングコースⅡ

・TAメンターコース

・人格適応論(TA Shuharism研究会 合宿)

私の学び方のくせは「習うより慣れろ」です。

何かを学んでも、その場でしっかり理解することはできず、何回でも学び経験することでようやく理解してきました。

これまでの経験からすると、私の学びの理解力は人よりもゆっくりだなぁと感じています。

今は、理解力が遅いことをディスカウント(値引き)することなく、自分の特性として受け入れることができます。

「習うより慣れろ」の自分にとって、この3年間は「慣れろ」の時期でした。

参加した講座内容を、その都度理解したつもりでも、本当に理解しているのかと問われると「?」がつく状態でした。

今年になってから理論の元になっている論文を読む会にも参加し、英語論文を読む機会も増えました。

理論の原点である論文を読み、参加者の皆さんのシェア内容や意見を聞くことで、これまでの学びで得られる感覚とは違うものを感じるようになりました。

それは、「理論」の理解深度が深まることで、自分の中に理論が入っていく感覚であり、そして、今自分が理解していることは「絶対」ではないという感覚でした。

理論の中には普遍的なものもありますが、いまだに進化している理論や異なった解釈が現れることを知りました。

それゆえ、理論の説明が人や書籍によって違っていたりして、混乱することもあります。

TAの最も基本的な理論の一つである自我状態機能モデルでも見られます。

多くの文献では、自我状態機能モデルは下記のように表されます。

CP(Critical Parent:批判的な親)

NP(Nurturing Parent:養育的な親)

A (Adult:成人)

FC(Free Child:自由な子ども)

AC(Adapted Child:順応した子ども)

上記のうち、「FC」については、

NC(Natunal Child:自然な子ども)

という表記もあります。

どちらが正しいということではありません。

どちらの表記も意味があり、自由で自然な天真爛漫な感情を表す子ども(Child)に付く言葉が「Free:自由な」、もしくは「Natural:自然な」かという違いになります。

この違いを意識して使い分ける必要があります。つまり、自分はどちらの理論を選択するのか、ということになります。

中途半端な理解では自分も混乱してしまいます。

しっかり違いを意識して使い分けるためには、適切な理解が必要となりますが、逆に理論を理解することは、すなわち自分で選択することにつながる、ともいえるでしょう。

別の理論を否定することなく、自分がより賛同できる理論を選択することができるというのは、とてもうれしく感じました。同時に正しく理解する責任も感じます。

◆「守破離」は学びの原点

このように思い至った時に、当研究会の名前にもある「守破離」も、また意味を増します。

当研究会の想いである守破離の精神は、実はTAの理論それ自体にも適用されるものになります。

TA理論は今も進化しています。

自分自身にとっては、まだまだ「守」が必要であり、大切な学びの時期ですが、TA理論の「破」「離」を意識しながら、これからもTAを楽しんで学んでいきと思います。

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