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名言をTAでみると

第六十二回:降幡浩康

私が生きてきた中で、名言や格言に癒されたり、勇気をもらったりしてきました。

 

職場やコミュニティ、家族や日常関係する人など、同じ時間を一緒に過ごす人たちには様々なパーソナリティがあります。

 

リーダーシップをとれる人

頑固な人

優しい人

冷静に判断する人

NO!とはっきり言える人、

楽観的な人

何を考えているかよくわからない人

協調性のある人

自主性のない人

・・・

人それぞれいろんなタイプのパーソナリティがあります。

 

このようなパーソナリティは、私たちの中にひとつしか存在しないものではなく、複数あるいはすべて存在していて、それを使い分けています。

 

TAではパーソナリティを自我状態で説明しています。

自我状態には、構造モデルと機能モデルがあります。

 

(自我状態構造モデル)

・過去の誰かのデータがファイルされている場所「親:Parent(P)」

・「今ここ」での思考・感情・行動が反応する場所「成人:Adult(A)」

・幼少期の過去のデータがファイルされている場所「子ども:Child(C)」

 

(自我状態機能モデル)

・養育的親・・「NP:Nurturing Parent」

・批判的親・・「CP:Critical Parent

・成人・・「A:Adult」

・自然な子ども・・「NC:Nature Child」

・従順な子ども・・「AC:Adapted Child」

構造モデルはP、A、Cでまとめられるので「PACモデル」とも言われます。

 

「自我状態構造モデル」は、ある場面での人の内面の中で、3つの自我状態が精神的にどのような状態であるのかを見せるものであるのに対し、「自我状態機能モデル」は私たちの感情や言動、活動などをとらえて、表に出てくる表情や行動をとらえたものになります。

 

先ほどのパーソナリティのうち、P・A・Cが顕著に表れる行動・表情はその人の個性として強く表れ、目立たないものは弱いと言えます。

 

家庭と職場、コミュニティなど、環境によって他人からの見え方が異なる人を例にとってみましょう。

職場では厳しく怖い人はCPが高く、家庭では黙って奥さんの言うことを聞いている場合、CPは低く、ACが高いと考えられます。

 

また、普段おとなしく目立たない人のCPは低く、ACが高い状態ですが、何かあった時にはリーダーシップを発揮しみんなを指導したりする場合、CPが高くなり指導していると考えられます。

 

このように、人は自分の持っている自我状態を環境(状況)に応じて、自由に使い分け、発揮しています。

人は生活している中で、その時その時に応じて自我状態が移行しているのです。

 

自我状態が自分の思う理想の状態と違っている、うまく使い分けられず、コントロールできないと、モヤモヤしたり人間関係がうまく築けなかったりします。

 

自我状態を詳しく学んでいくと、うまくいかない理由を判断できます。

 

今回は、別の視点を加えてみてみます。

 

 

【 名言でみる自我状態 】 

モヤモヤしたり落ち込んだりしたときや人間関係をうまく運びたい時など、参考となるものに名言や格言があります。

これらをTAで紐解くと、自我状態をうまく使っていることがわります。

 

〇マザー・テレサ

わたしのマザー・テレサの人間像、イメージは母性豊かな人で、相手を思いやり、尊重し、感謝し貢献する姿勢は、NPを強く感じます。

 

“あなたは、あなたであればいい。”

“神様は私たちに成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することを望んでいるだけよ”

“いかにいい仕事をしたかよりもどれだけ心を込めたかです。”

“導いてくれる人を待っていてはいけません。あなたが人々を導いていくのです。”

~マザー・テレサの名言・格言より(https://iyashitour.com/meigen/greatman/mother_teresa)~

 

どの言葉をとっても、優しく包まれる愛情が強く感じられ、NPが高いといえます。

このように諭されれば、心穏やかに聞く耳が持てますね。

 

 

○スティーブ・ジョブズ

 

“ハングリーであれ。愚か者であれ。”

“最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ”

“残りの人生も砂糖水を売ることに費やしたいか、それとも世界を変えるチャンスが欲しいか?”

~スティーブ・ジョブズの名言・格言より(https://iyashitour.com/meigen/greatman/stevejobs)~

 

アップル社の共同設立者のジョブズの言葉には、企業家としてのリーダーシップ(CP)というよりは、ハッとさせられる閃き(NC)を感じます。

彼のファシリテーションを聴くときは、とてもワクワクした楽しさを感じます。

上記の言葉にも普段使わない思考回路を刺激され、私には響いてきます。

 

 

○松下幸之助

 

“どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである。”

“一方はこれで十分だと考えるが、もう一方はまだ足りないかもしれないと考える。そうしたいわば紙一枚の差が、大きな成果の違いを生む。”

“志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ず開けるのである。”

 

~松下幸之助の名言・格言(https://iyashitour.com/meigen/greatman/matsushitakounosuke)~

 

 

松下幸之助はパナソニック(旧松下電器)の創業者で名経営者です。

彼の言葉には冷静に大局を見て、冷静な判断に基づいた示唆に富んでいるように感じます。冷静沈着な思考から発せられる言葉には Aを高く感じます。

 

 

○相田みつを

 

“セトモノとセトモノとぶつかりっこすると

すぐこわれちゃう

どっちかがやわらかければだいじょうぶ

やわらかいこころを持ちましょう“

“他人のものさし

自分のものさし

それぞれ寸法がちがうんだな”

“トマトにねぇ

いくら肥料をやったってさ

メロンにはならねんだなあ“

~相田みつをの名言・格言(https://iyashitour.com/meigen/greatman/aidamitsuo)~

 

詩人としての彼の言葉は、心に浮かんだ言葉が表現されているように感じられます。

自然に沸き上がった言葉は NCから発せられていると言えるでしょう。

「トマトに肥料をやってもメロンにはならない」なんて、当たり前のことを言っているようで、そこに「多様性」の意味を感じるのは私のNCを刺激しているからかもしれません。

 

 

○ウィンストン・チャーチル

 

“決して屈するな。決して、決して、決して!“

“凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない。“

“金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことはすべてを失う“

~ウィンストン・チャーチルの名言・格言(https://iyashitour.com/archives/20861)~

 

ウィンストン・チャーチルはイギリスの政治家であり軍人です。

彼の言葉には、指導者としての決意が感じられます。人を導くリーダーとしての重みがあり CPの高さを感じます。

 

 

○美輪明宏

 

“野に咲く花にも役目があります。この世に必要でない人はいません。それに気付くかどうか。それが大事なのです。”

“おいしくて体に悪いものを食べて病気になるか、まずくても体に良いものを食べて健康でいるか。食べ物も人間関係も同じ。“

“嫌な思いをすると、やり返したくなるもの。優しさで帳消しにすれば、自分が気持ちいい。”

~美輪明宏の名言・格言(https://iyashitour.com/archives/20107)~

 

美輪明宏は歌手であり俳優、マルチな才能を感じるタレントです。

TVで観る彼の雰囲気はちょっとミステリアスながら、人を惹きつける魅力を感じます。

その発言には重みが感じられ、私の心に響いてきます。

父親的な力強さ CP と母親的な優しさ NP 両方兼ね備え、その言葉の豊かさからは NC の高さを感じます。 

 

 

○オードリー・ヘップバーン

 

“わたしにとって最高の勝利は、ありのままで生きられるようになったこと、自分と他人の欠点を受け入れられるようになったことです。“

“控え目であるためには、その前になにかに立ち向かうことが必要です。”

“成功は誕生日みたいなもの。待ちに待った誕生日がきても、自分はなにも変わらないでしょ”

~オードリー・ヘップバーンの名言・格言(https://iyashitour.com/archives/19419)~

 

オードリー・ヘップバーンはイギリスの女優です。

彼女も芸術に生きた方ですが、その言葉には理知的な冷静さ A の高さを感じます。

ただ、その言葉には自由な発想から紡がれたものもあり、そこには NC も感じられます。

 

いかがでしょう。

 

名言が心に響くのは、その言葉のもつ自我状態の機能が私たちの心の自我状態に働きかけるからだと考えられます。

 

言葉をそのまま感じて、受け取り自分のものにするのもよいでしょう。

逆に受け取らずに拒否することもできます。

上記は、私が感じた受け取り方なので、また別の感じ方もあるかもしれません。

 

どの自我状態から発せられているものなのかを考えてみるということは、自分にとってどのように受け止めるかを知るヒントになりそうです。

 

この仕組みは、誰かとコミュニケーションをとるときの参考になります。

自分では思いつかない、うまく言葉に表せないことも、名言や格言を使うと、自分が感じたことを言葉に乗せ、自分の意図する自我状態を持って伝えることができます。

 

名言は覚えられないくらい、たくさんあります。

これからもどんどん増えていくでしょう。

 

名言と同じ言葉を使うことは、自分が伝えたい言葉の幅を拡げ、言葉の引き出しを増やし、なりたい自分の自我状態にも良い影響を与え、心を豊かにしてくれます。

 

名言を自分のものにし、日常生活に活かすために「自我状態」を使ってみると良いかもしれません。

 

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