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「キャリアコンサルティングとTA」シリーズ
 No,4 〖キャリコンの父〗とTA

第四十八回:青沼ますみ

こんにちは! 青沼です。今週は私の当番です。   

私は国内では、キャリアコンサルタントという国家資格を持っています。 

今回のシリーズは、キャリアコンサルタントの国内資格を持っているTA Educator(教育のTAを活用して教育指導に邁進する人)の青沼が、その時々体験したことをいろいろ長々&勝手に書いているシリーズで、最終回。ぜひお付き合いください。   

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2週間前、日中6時間、私はすごーく真面目にキャリアコンサルティングに関する勉強をしました。所属しているMCC〇〇という学習団体で、大きな学習会が催され、それに参加したからです。   

今日は、その時に気づいたことで、最近よく見かける〖私のトリセツ(取扱説明書)〗に1ページ追加できたことを書いてみます。   

その学習会は、「ジョイントセミナー」という名前で毎年開催されます。本来はこの時期、一泊二日の合宿形式で行われるのですが、昨年から2年連続でオンライン形式になっています。総勢100人を超える参加者です。   

一方通行型のウエビナー形式ではなく、双方向でのオンライン講座ですので、PC画面には知人の顔もそこかしこに見えます。おかげでとても安心でき、100人規模の学習会で、それはそれは壮観でした。   

で、今年のテーマは「木村周のキャリアコンサルティング論とは何か」   

これを読んでくださっている皆さんは、“木村周”ってだれ??となってますよね! 

簡単に紹介すると……   

ご自身の職業人生の多くを、職業支援の現場とキャリアコンサルタントの育成事業・研究に捧げてきた、非常に高名な先生です。   

で、その高名な先生が、MCC〇〇の主催者であり、日本のキャリコン界では知る人ぞ知る!(知らない人もいるが……苦笑)の、ロビン師匠MCC〇〇と言う学習コミュニティは、それを中心にした姉妹会も併せると、キャリコン資格を持った老若男女・さまざまな職種・業種の人たちが集まっていて、まるで昔の小中高であった[マンモス校]という呼び名がぴったりな感じです。 

そこに集うメンバーの多くが、実際にハローワークでさまざまな苦労をしている後進達であり、そして彼ら自身が過剰労働を強いられている中においても、相談者のより良い就業支援のために、継続的に学習し自己成長意欲を持ち続けて会に参加していました。木村先生は、そのことに感動し、ロビン師匠が創る学びの場に彼らと共に居ることを強く希望されていたようです。 

特に、年に1回ある温泉地などを会場にした宿泊形式の“ジョイントセミナー”が楽しみだったご様子でした。(だってやっぱり楽しいものね!!)   

この素晴らしい関係は数年続き、そして残念なことに、今年の夏、木村先生はご逝去されましたで、今回のジョイントセミナーは、それまで木村先生が私達に教えてくださったこと・後進に伝えたかったことを振り返るオンラインでの旅となり、多くの同胞がPC画面上で集ったという訳です。   

事務局がこれまで記録していた講演録全てを見事に編集してくれ、これを鑑賞しながら、参加者それぞれの木村先生との想い出や学びを語ることで、各自の再学習が起こり、非常に充実した一日を過ごすことができたという訳です。   

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前説が長くてすみません…… 私が書きたいことはココからです。 

では、私の再学習つまり〖私のトリセツ〗の発見とは何だったか……   

木村先生が数回参加されたジョイントセミナーに、私が参加できたのは2回。残念なことに、木村先生とは直接お話をすることは叶いませんでした。 

(皆さんの声:え~~、そうなの??)  

いや、話すチャンスはいくらでもあったと思います。 

私は元司会業で外向タイプです、初対面の人の懐に飛び込み会話に持ち込むのは、ちょ~得意ですから。 

私が自分から話しかければ、木村先生もきっと何らかの反応を示してくれたことでしょう。 もし話ができていたならば、私は4年間経験した[塀の中で職業訓練を受ける人たちの、私が体験した現状の問題]を先生に伝え、先生なりのお考えや情報を聞きたかった。   

その時、“話してみたい話材”があったにもかかわらず、「自分からは話さなかった」のですよね、私。 

ここに私の特徴である、私の人生脚本の否定的側面が見え隠れするのがお判りでしょうか?    (皆さんの声: やっと、TAだ!)   

木村先生は、そこに集う全員にとって職業的に尊敬する/憧れの人物であり、それは[日本のキャリコンの父]と呼ばれるほどです。 

講義で話される内容は、全てにおいて実践知の塊、あちこちにユーモアを適度に交えて、そして良く聞くと厳しい批判・本音もチラリとのぞかせて……。みんなメモしまくりです。 

温かなその人柄もあり、ジョイントセミナーの終始、特に休み時間になると木村先生の周りには人が自然と集まってきます。   

ミーハー調で話しかけて先生の本にサインをもらう人 

いろいろと自分の悩みを聞いてもらいたいたくて、恐る恐る話しかけ、話しまくる人 

自分の功績を恥ずかしそうに、でも誇らしげに話し、先生から褒めてもらいたい人…   

“誰から、どんなストロークを得たいのかだな~”なんて、私はその光景をぼんやりと見ながら思っていました。 

で、私もそういう輪に入れたのです。私がそうすることに誰も文句を言わないし、周囲もその光景を「あ、TAの青沼さんが木村先生と何か話している」と自然に受け止めたでしょう。   

でも、私は無意識にその時間をさけ、そうしなかった。 

今回、当時の録画を視聴しながら、その時の場面を追体験して気づいたのです。   

皆と同じようにすることに、ある種の不安と抵抗を感じる…… 

その時、私の頭の中ではこんな御前会議が始まっていました。   

〖内なる親の声〗「だめだだめだ!その仕事はたった4年しかやってない。そんな中途半端な経験・内容じゃあ、先生に話しても相手にされないぞ!」   

〖内なる子どもの声〗「だって、みんなもああやってストロークもらいに行ってるよ……」   

〖内なる親の声〗 「そうやってもらったストロークはあまり価値がないんだ。休み時間なのに迷惑をかけるだけだ!」   

〖内なる子どもの声〗 「そっか、そうだな。休み時間だし迷惑かけちゃいけないし、私はこういう時、目立っちゃいけないんだ……」   

この状況・文脈では、〖内なる親〗に押しきられたように、私の〖内なる成人の声〗はあまり上手く発言せず、〖内なる子ども〗の声は徐々に弱まります。実際の私はトイレに立つことでその場を去り、他の会話で休み時間を使ってしまう……   

本当に不思議な会話です〖私のトリセツ〗に新たな1ページを追加することが可能になる。   

私はこれまでいくつか再決断してきたし、「自分の存在・人生の大切さを実感し、家族・周囲との絆を深め、社会と調和して生きる」ことを自分で選択し続けられるのは、TAを学び続けているからだと思います。   

今回見つけた発見は、最初に見つけた大発見とは異なり、“ああ、やっぱりな……”という再確認のレベルでした。が、とても大切な再発見でした。 

これで更に、次回同じような状況になった際、異なった態度・行動への大いなる可能性に繋がったと思います。さらに、それをするのかしないのか?は私の選択になります。 

ここ大切! 

無意識でしないのではなく、意識することで「選ぶ権利が私にある」という自己責任を手中に収めることができます。これがまさに自律的な生き方に繋がっていくのです。     

今回の大規模勉強会から私が学んだことは、木村周先生が教えてくれたもののみならず、私の更なるキャリアの成長にも大きな意味がある再発見でした。他の誰でもなく、皆が憧れる木村先生の存在や先生と仲間のふれあいを通して見つけた“私らしさ”。 

この発見を見逃さずにキャッチして、次なる私のトリセツへ繋げていかなくっちゃ!  

 

ありがとう、私の再発見 

そして、ありがとう、木村先生        

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今回使った概念:InternalEgo-States 内的自我状態 

Eric Berneが考え出した自我状態(ego-state)とは、少し角度の異なった捉え方をする。日本で有名なエゴグラムなど、自我状態の機能モデルを使って行動分析を行うのとは異なり、“私の内側に起こっていること”を表現する際に有効。これによって〖自分の内側での感じ方と、自分の外側の行動が必ずしも一致していない〗と気づくようになる。イギリスのTSTAであるJulie Hayはここに着目した。それが、Internal Ego-States/ 内的な自我状態である。   

 

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この内なる心の声を聞き分けて、何が現実的で何をすることが適切かについて、統制を取るのが〖内的な成人〗の自我状態。〖内的な成人〗の機能に磨きをかけていけば、〖内的な親〗のネガティブなモデルから「外ではお利口にしなさい!」と厳しく言われても、〖内的な子ども〗の「私にもストロークください。褒めて/認めてもらいたいんだ~!」という心の叫びを無視せずに現実検討し、“木村先生も休みたいはずだから、昼休みになってから○○な感じでお願いしてみよう!”と計画し、「木村先生、もしお時間が許せば、私も少しお話を聞いていただきたいのですが?」と、大人の会話から交流を始めることができるだろう。 

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