サイトへ戻る
サイトへ戻る

脚本とロールモデル、そして自律

担当:あべともこ

 

6月3日~5日に開催された

ITAAの国際カンファレンス

「COURAGE, PHYSIS AND RESILIENCE: Resources fora New Emerging World」 

(勇気、フィシス《Physis》、そして回復力:新しい世界のためのリソース) 

で印象に残った教育分野のTSTA、SylviaSchachner(シルビア・シャヒナー)氏の基調講演(Keynote)の内容について書きました。

そして、そのブログの最後に「続く」と記したのですが、

基調講演の内容の続きではなく、

私自身が日常であのブログの内容を経験したので

今日はそのことについて書くことにしました。

とても感激し、嬉しい出来事でした。

 

私がファシリテートする

TAスーパーバイザー養成コースの講座内で私が経験したことです。

今回このブログを書くことは、ご本人に、掲載の許可を頂いています。

 

そのTAスーパーバイザー養成コースにご参加頂いたメンバーの中で

おひとり、スーパーバイザー役を担うことが非常に難しい方がいました。

しかし、その方は一瞬のインスパイアで、

自身の脚本から脱し、 新しい自分自身を得た!

私はその報告を受けたのです。

 

私もファシリテーターとして気になっていたことでもあり、

二人で、このコースの始まりの頃のこと、途中経緯、

そして大きな変化を感じたことについて互いの気持ちを共有し、

結果喜びを分かち合えたのは、

私にとっても非常に嬉しい体験でした。

 

その内容をタイトルにすると今回のタイトル:

人生脚本とロールモデルそして、自律となりました。

 

このコースは、

理論と概念を学びながら同時に、

コース内でTAスーパービジョンの実践(プラクティス)を重ね、

TAスーパービジョン・スキルを学び、実践し、

スキルアップするという全6回のコースです。

 

そのプラクティスの場面での出来事です。

プラクティスは、以下の役割を担う3名一組で行います。

・スーパーバイザー(スーパービジョン・スキルを使ってサポートをする人) 

・スーパーバイジー(自身の課題を解決したい人) 

そして、

・オブザーバー(スーパーバイザーとスーパーバイジーのやりとりに注目し、スーパービジョン終了後、気がついたポジティブな点そして自分だったらつくるであろう違いについてシェアする役割を持つ人) 

1件のスーパービジョンは、20分間です。

 

ここでまずは、簡単にTAスーパービジョンのポイントを説明しておきます。 

1)スーパーバイザーは、基本OK-OKのポジションから、

スーパーバイジーが、この限られた時間内で

「何を手に入れたいのか」を明確にするコントラクティングから始める。

その際、スーパーバイザーは、スーパーバイジーの話す内容で

不明瞭な個所を確認するための問いかけをし、

コントラクトの内容を明確にする。

 

2)コントラクトが明瞭になった時点で、

スーパーバイジーが抱える課題について、やりとりを始める。

 

3)スーパーバイジーが自身の課題を話す中で、

無意識にディスカウントしているような箇所を、

スーパーバイザーがスーパーバイジーに

質問あるいは問いかけ(コンフロント)をし、明確にする。

その質問や問いかけに答えるプロセスで、

スーパーバイジーのアダルト(A)が活性化し、

自身のディスカウントや思い込み、自分のラケット感情/本来の感情、

スクリプトなどに気づき、スーパーバイジーが抱えていた課題を、

自身で解決していくというプロセスがスーパービジョンである。

 

⁂ここで、ちょっと特記しておきたいことは、

スーパーバイザーとスーパーバイジーとのやりとりで

互いにTA理論を知っていると、スーパーバイジーの気づきがダントツで早いです。

なので、この講座名は、

「TAスーパーバイザー養成コース」となっています。

 

例えば、

スーパーバイジーが、スーパーバイザーの問いかけで、

「あっ! 私はI am OK - You are not OKになっていましたね!」という気づきから

抱えていた問題が一気に明確になり、解決にすすむというぐあいです。

文字通り目の前の霧がすうっと晴れていくように

クリアになっていく醍醐味を味わいます。

 

つまり、TAスーパーバイザー養成コースでは、 

まずは、いろいろ役立つ概念や、使えるTA理論や他の理論を学び、

それらをベースに

スーパーバイザーとして、

スーパーバイジーへの的確な質問スキルを学び、練習します。

スーパービジョンのプラクティスでは、

適切なスーパーバイザーの質問や問いかけで

スーパーバイジーの滞っていた自我状態のエネルギーが活性し始め、

フィシスを体験、滞っていたエネルギーや人間関係が回復する自分自身を

体感する場となります。

本番でも同じです(^^

 

 

このTAスーパーバイザー養成コースご参加の中のおひとりが

スーパーバイザー役を担うことが非常に難しかったというお話に戻ります。

 

その方は、緊張すると

親御さんとの強固なシンビオシス体験を

日常の仕事でも再演されることが多いと常々自覚されていました。

スーパービジョンのプラクティスは

まさに緊張がマックスになる条件となり、

お気に入りのシンビオシスのチャイルド(C)のポジションに固定され、

思考が止まっていましたと振り返っておられます。

 

そういう時は、

その場では、言葉の意味を理解することができず、

ただ言葉が音として聞こえるだけ/耳に入るだけになってしまうようです。

そうなってしまうと、その状況が終わることを待つあるいは、

他のことを考え始める、そんな状態が再演される。

という報告もありました。

となると、

コースでのスーパービジョン・プラクティスで、

この方の耳に入るスーパーバイジーからの話の内容を

聴き入れたり、疑問を持ったり、

もう少し詳しく内容を尋ねたりするというアダルト(A)は機能せず、

ただただ、時間が過ぎる。

何とか質問を投げかけても、

スーパーバイジーも「???」となる的外れな質問になる。

そんな硬直した時間を「まずい!」と感じ、

目の前で行われる他のチームのやりとりを見ながら、

その方の内面で、

「あんな風に質問や問いかけができるようになりたい!」という 

「望み」が湧いてきた! 

あんな風になりたい! 

 

そんな中、数回目のセッションで、

グループメンバーの3名ずつがチームとなり、

スーパービジョンのプラクティスをしている様子を

他のメンバーと一緒にオブザーブしている途中に、

その方曰く、

スーパーバイザーと、スーパーバイジーのやりとりが

まるでスローモーションのように見え、聞こえ、

自分の中で

「こんな風にするだ!」と閃いたそうです!!!! 

 

今日のブログで私が一番お伝えしたいことは、 

ここなんです! 

私も~~~のようになりたい! という望みと、 

その鮮明なロールモデルを持つことが重要なのです。 

 

 

人に裏切られ、支援もしてもらった経験がない人は、

人に信頼されるとか、支援されるということが

どんなことが分からないことも多いと思います。

 

私達も食べたことも見たことも無いものを

他の人が「美味しい! 美味しい!」と言っても

ふ~~んと思うだけで、

ワクワクも食べたいとも感じないかと思います。 (また今度、機会があれば~~)

 

でも、そのお料理を実際に目の前見たり、

味わっている人たちの表情や会話、その場の雰囲気を感じると

私も「食べてみたい!」って思う確率は上がりますよね。

 

デパートの実演販売のお惣菜がいい例かも知れません(笑)

 

人は、裏切られた体験や、放置された体験などが重なると、

それがある意味お馴染みの結末として、定着し

日常的に再現されるよう自分の中にシステムをつくるというのが

人生脚本(ライフ・スクリプト)でしたね。

 

人生脚本を形成するプロセスには、

そのような体験はもちろん、そんな場面での人の動きも関係しているのです。

 

それと同じように、私達は、

人を信頼する、信頼される……を目のあたりにし、感じること、

支援する、支援されるって、こういうこと!! って

見たり、感じたりすることで

あんな風になりたい! と心が動くのだと思います!

 

幼い頃に「お医者さんになりたい」とか

「お花屋さんになりたい」 

「幼稚園の先生になりたい」 

「人をお世話する人になりたい」 

という風に自分の人生を決めたときと同じように、

しっかりとその想いが根付くのだと思います。

 

……ブルズアイ・メッセージ!

 

成人になっても、

年齢がいくつであっても、

「あんな風になりたい!」=ロールモデルが

鮮明に自分の中に飛び込んできたら、

そうなれるんだ! と今回確信しました。

 

親御さんとの強固なシンビオシスで

がんじがらめになっていたその方は、

新しいなりたい姿を見つけ、 

あんな風にしてみようと勇気をもらったそうです。

 

もちろん、次の瞬間から

その方のスーパービジョンに変化が現れました。

そのグループ全体も、その変化を感じ取りました。

 

大人も変われる!……教育分野の目指すところ 

 

そこには、

 

その場が安心・安全であることを体感できることが大切です。

 

100%あるいは、100%以上許可と保護が存在する空間だと

こんな風に、成人がチャレンジできるんだと

このコースをファシリテートした私は体感しました。

関係者でつくる安心・安全の場で脚本をクリアし 

新しい自分に出会える!……教育分野の目指すところ!

コース参加者全員で作ったサクセス_Success! 

 

コースが終了後のこの方との継続の個人SVでの振り返りで

この方と私の間で「この体験」を共有、納得したので、

その当時のメンバーには直接お知らせできていませんが、

このブログを読んで、「!」閃かれるかもしれませんね。

 

とても嬉しい体験でした。 

 

と同時に、

 

どんなに困難・難しい状況でも 

自分自身が希望を持つことはとてもとても重要で 

そこからがスタートなんだ! 

 

前回のブログに書いた

Sylvia Schachner(シルビア・シャヒナー)氏の基調講演の内容であったことなので、

シェアしてみました。

これからの私自身に励みになる講座参加者さんからのシェアでした。

感謝。

 

broken image

 

前へ
私の4月の現場風景 その3 
次へ
ヨシタケシンスケの絵本をTA視点で読んでみると 
 サイトへ戻る
strikingly iconStrikinglyを搭載
プロフィールの写真
キャンセル
クッキーの使用
ブラウジングエクスペリエンス、セキュリティ、データ収集を向上させるためにクッキーを使用します。 同意すると、広告と分析のための クッキーの使用に同意したことになります。 クッキーの設定はいつでも変更できます。 詳しく見る
同意する
設定
すべて拒否する
クッキー設定
必要なクッキー
こちらのクッキーは、セキュリティ、ネットワーク管理、アクセシビリティなどのコア機能を有効にします。こちらのクッキーをオフにすることはできません。
アナリティクスクッキー
こちらのクッキーは、訪問者がサイトをどのように操作しているかをよりよく理解し、エラーを発見するのに役立ちます。
設定クッキー
こちらのクッキーにより、サイトは、拡張機能とパーソナライズを提供するために行った選択を記憶することができます。
保存