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絵本で過ごす夏休み

         担当:降幡浩康

夏休み真っただ中ですが、子どもたちとは

思い出をいっぱい作れたでしょうか?

 

この夏はコロナ以外でもいろいろ病気が流行っていたように思います。

私の娘も夏休み前にコロナに罹患しました。

幸いにも熱が出たくらいで後遺症もなく、私を含め家族が罹患することもありませんでした。

みなさんも元気に過ごせた時もあったし、体調が優れない時もあったかもしれませんね。

まだまだ暑い夏は続きそうです。

大人も子どもたちも疲れが出てくるかもしれません。

そんな時は、無理せず家でゆっくりすることも大事です。

 

仕事で忙しい親にとって、子どもたちと一緒にいられる楽しい時間が夏休みです。

でも、例えば帰省中など、電車の待ち時間や電車での移動中にどう過ごすか、ときに頭を悩ませたりします。

自分にとっての日常とは違う時間の流れになり、時間の使い方に戸惑いが発生しますね。

時間の構造化における活動内容が変わりますから致し方ありません。

この時間の使い方の切り替えがうまい人のエゴグラムを見ると、

きっとNC(自然の子ども)が高い人でしょう。

 

また、家でゆっくりしているときやちょっとした隙間時間、

お父さん・お母さんたちはどのように過ごしているでしょうか?

そんな時に私がおすすめしたい時間の使い道は家族での絵本の読み聞かせです。

絵本は、子どもに夢と希望を与え、想像力や創造力といった考える力を刺激し、鍛えてくれます。

大人を対象にした勉強会の中で、『幼い時に読んだ、あるいは読んでもらって印象に残っている絵本』というテーマでディスカッションをしたことがあります。

40歳以上の中高年でも印象が強い絵本を覚えている方が多いように感じます。

ただ、若い世代では、テレビやゲーム/漫画の主人公の思い出が多いように思います。

 

この違いが子どもたちの発達にどう影響するのか、TA心理学の立場から考えてみます。

絵本を読み聞かせてもらう機会が多いと、楽しさや幸せ感だけでなく、

普段の生活では体験できない驚きや怒り、怖さや寂しさ等を絵と文字で体験できます。

その体験は、間違いなく記憶の中に入っています。

これから体験していくであろういろいろな場面において、

こんな時にはこんな風に伝えるんだ。

こんな言葉があるんだ。

こんなやり方があるんだ。と、

気持ちの表現も含めたコミュニケーションのスキルを活かすことができます。

また、絵本のストーリーから因果関係を学ぶこともあります。

ウソをついてばかりいると、誰からも信じてもらえないようになるとか、

冒険の楽しさや友情の温かさ等が体験できます。

 

そして、情緒や感情の表現の仕方、ワクワク感が体験できます。

それがお母さんやお父さんと一緒に体験できることも大切です。

絵本を読みながら、「わぁ〜」って言ってみたり、

「怖かったね」「寂しいね」「楽しかったね」「ドキドキしたね」と、

お母さん、お父さんとの会話は子どもたちには、

とても大切な家族の絆を確認する時間でもあります。

絵本の読み聞かせはポジティブなストローク交換をおこなうことができます。

それも、最も大切な親子間でできますから、子どもにとってはかけがえのない体験です。

絵本から、いっぱい学ぶことができます。

「学ぶ」と言っても、意識的に何かを学習するということではなく、

結果的に人生に必要な知識や人間力を身に付けられるのです。

 

生後6カ月頃から脳は急激に発達し、言葉が話せるようになると、覚えたことを何度も確認するようになります。

散歩の途中で犬を見たら「ワンワン」「ワンワン」と何度も言いますね。

子どもにとって何度も繰り返すこの作業はとても大切な確認作業です。

もう少し大きくなって、同じ絵本を何度も読んで欲しいとせがんだり、

納得するまで何回もチャレンジすることも大切なプロセスです。

これらは、チャレンジ精神を養ったり自分自身に自信を持てたり、学ぶ姿勢を育てることにつながります。

絵本では、それができます。

テレビを見たりゲームをしたり漫画を読んだり動画を視聴しているときは、

発信者側のペースで次から次と刺激が音声と視覚でやってきます。

自分で想像したり、創造したりするために考えたり、

内容を味わう時間が絵本と比べてほとんどなく、どんどん展開していきます。

それらはスピード感あふれてとても楽しいものです。

たまにそのような時間を過ごすことも良いと思いますが、

受動的に過ごすだけでは入ってくるものは少ないです。

 

絵本を使って能動的な刺激を取り混ぜて楽しみ方をしていただきたいですね。

絵本を子どもたちがお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんの膝の上や、

体と体をくっつけた状態で読むことは、とても大事なことです。

身体の接触を伴うことは非言語のストローク交換になっています。

自己肯定感の一つの要素でもある自分はここにいていいんだという自己受容感を養うことができます。

 

お父さん、お母さんが子どもと一緒に絵本の世界に入って、

一緒に驚いたり、喜んだり、時には顔を見合わせたり、

自分のペースで物語を進められます。

子どもにとっては自分にとって大切な大人と一緒に絵本の世界を体験しながら、

確かな愛情を感じることができます。

新しい絵本に出会ったときのドキドキやワクワク、そしてちょっとした不安を感じたとき、

自分には一緒に体験してくれる安心できる人がいると認識するのです。

楽しい時も、さみしい時も、困っているときも、いつも近くで見守ってくれて、

一緒に経験してくれる、そこから実生活のなかでも家族としての絆が育ちます。

絵本を読み聞かせるのは小学校に上がる前までが多いようです。

できれば子どもが幼い時だけでなく、小学生になっても、

自分自身で字が読めるようになってきても、読み聞かせをお奨めします。

自分で読むのと誰かが読んでくれるのとでは、大きな違いがあります。

実際に読み聞かせ聞いた人は自分で読んでいた時は違うものを感じています。

読んでいるときは字を読みます。

 

読み聞かせは絵を見てストーリーを聞いています。

読んでいるときは「読む」ことで左脳を活性化させ、

読み聞かせを聴いているときは「見て」「聴く」ことで、右脳が活性化します。

読み聞かせを聴いているとき、感情を揺さぶられるように感じるのはそのためでしょう。

私も自分で読むのと、誰かの読み聞かせを聴くのでは大きな違いを感じています。

無心になって癒されたい、落ち付きたいと思うときには、自分で読むよりも読み聞かせを聴く方が素直に心に響いてきます。

 

子どもに読み聞かせをするとき、さぁ読むぞ! と肩に力をいれる必要はありません。

リラックスして、自分自身がストーリーを楽しみ、感じたままを読んでください。

無理する必要はありません。

自分に素直に、上手下手ではなく自分が感じたままの感覚を大切に読んでください。

子どもと過ごせる時間は限られています。

せっかくの夏休み。

疲れもあるかもしれませんが、子どもと一緒の時間を絵本でお楽しみください。

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