ヨネさんこと、山口県在住の米山高史(よねやまたかふみ)です。
今回は、新年企画「吉田松陰語録」の第3回となります。
【吉田松陰とは】
山口県民でもない私が言うのもはばかられるのですが、
ハッキリ言って山口では、松陰先生は「神」です。
吉田松陰は、山口県萩市の松陰神社に史跡がある「松下村塾」で、塾生の指導にあたり「高杉晋作」「桂小五郎」「久坂玄瑞」「伊藤博文」など幕末から明治維新にかけて大活躍したスーパースター達が、師と仰いだ人物です。
現在でも、萩市立明倫小学校では、昭和56年(1981年)より、毎朝の「朝の会」の時に、松陰先生の言葉を声高らかに朗唱しています。
また、萩市内には西回りと東回りの2ルートの循環バスがあり、西回りが「晋作くん」そして東回りが「松陰先生」という名前が付けられています。
幕末の風雲児、高杉晋作が「くん」なのに、吉田松陰は「先生」、山口での松陰先生に対する尊敬の念が伝わってきます。
山口以外でも、例えば、現在公開中のアニメ映画『銀魂 THE FINAL』では松下村塾がオマージュされています。その中では……と、これ以上は、ネタバレになるといけないので止めておきますが、とにかく吉田松陰先生は知る人ぞ知る、日本の近代教育の第一人者なのです。
【有名な松陰先生の言葉】
今回の特別企画では、先日私たちが訪れた「松陰神社」内の「学びの道」にある言葉を中心にブログを書いてきましたが、松陰先生の言葉には、ほかにもいくつか有名なものがありますので、ご紹介しておきます。
まずは、大河ドラマ「花燃ゆ」でのセリフにもなり、特に有名なものが
です。
一見過激な言葉ですが、松陰先生は
「 狂愚は誠に愛すべきもので、 才良は誠に恐るべきものだ。
狂は常に鋭く新しい物事に取り組み、愚は常に危険を避けたりしない。
才が多いのは策略を弄し、良が多いのは八方美人である。 」(現代語訳:米山)
と、述べています。
簡単に言うと 「良識にとらわれず、新しいことであっても恐れずに、一心不乱に取り組みなさい」……ということですが、「諸君、狂いたまえ」の方が、断然心に訴えかけて来るものがありますね!
「努力は、夢中に勝てない」という言葉もあるように、物事に熱中している時のパワーにはものスゴイものがあります。TAの概念で伝えるなら
「熱中して、NCのエネルギーを活性化させましょう!」といったところかもしれません。
そして、もう1つの松陰先生の代表的な言葉が
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」
です。
ウォルト・ディズニーの言葉
「If you can dream it, you can do it.(夢見ることができれば、それは実現できる)」
に通じる、いわゆる「成功哲学」的な言葉ですが、アプローチがとても論理的です。
私たちはワークショップを始めるとき
「このワークショップが終わったとき、どんな自分になっていたいですか?」
と受講生の方に尋ねることがあります。
これは講師と受講生の間で 「コントラクト(契約)」 を結ぶ際の重要なテクニックです。
コントラクトは、
・ 達成することが可能なもの
・ 単純な言葉で、明確に表現する
・ 自分が変わるための具体的な手段を含んだもの
でなければなりません。
受講生にコントラクトを声に出してもらうことで、明確なコントラクトにコミットし、受講生と講師双方の行動変容が期待できるというわけです。
幕末の志士たちに行動変容を求めるようなこの言葉には、先の「諸君、狂いたまえ」と同様の熱い想い(NC)と同時に、松陰先生の理路整然とした大人の教育者(A)の力を感じます。
【使いこなしの達人】
この石碑は「学びの道」にはなく、松陰神社の入り口に置かれています。
松陰先生のいわゆる「辞世の句」です。
綺羅星の如く数々の幕末の英傑たちを産み落とした松下村塾ですが、松陰先生は江戸幕府から危険人物とみなされ、安政6年(1859年)幕府の安政の大獄により、江戸伝馬町の獄において斬首刑に処されます。享年30(29歳没)でした。
「狂愚」を信条とし、自分の信念に忠実であった松陰先生でしたが
「自分が死ねば、両親がどんなに悲しむだろうか」という、両親への思いが込められており、
自分を愛してくれた両親を想う、深い愛情(NP)を感じます。
「諸君、狂いたまえ」 (C)
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」 (A)
「親思う 心にまさる 親心 今日のおとずれ 何ときくらん」 (P)
それぞれが心を打つ言葉ですが、そこにはそれぞれ異なったエネルギーを感じます。
幕末の英傑たちが師と仰いだ「吉田松陰先生」は、相手に応じた自分自身のエネルギーを使い分け、教え子たちに日々対応することで、彼らの心をつかんで離さなかったのではないでしょうか。
日本の近代教育の第一人者「松陰先生」は「自分の中の様々なエネルギー」を使いこなす達人だったのかもしれません。
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