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CTAの先にあるもの

担当:降旗浩康

 

TA(Transactional Analysis)を学ぶと、自分の人生の目指す道が見えてきます。

私にとっては、CTA(Certified Transactional Analysis:公認TAアナリスト)です。

何か興味があるものを見つけたときに、もっと知りたいと思い、ただ漠然と目の前のものを追い求めることもできます。

ただ、学ぶものが大きれば大きいほど、それが自分にとって大切だと思ったときには、目標となるものが欲しいと望みます。

それが、「資格」です。

客観的な指標として、それぞれの分野で様々な資格があります。

TAを学ぶ上での目標となる最初の資格がCTAでした。

日本には、独自のTA(交流分析)の資格もありますが、

私にとって目指す道はCTAでした。

最初CTAを目指そうと思ったときは、あまり深く考えず、TAの世界で資格を取るならCTAしかない、と思っていた(思い込んでいた)ので、他の選択はありませんでした。

ただ、学びを深め、自分の経験を重ねる中で、CTAは進む道の一つのポイント(通過点)でしかなくゴールではないということがわかりました。

では、自分にとってCTAを取得することにはどんな意味があるのか?

取得した先に何があるのか?

そのことを考える機会が先日ありました。

日本TA協会主催の【CTA試験準備コース】が開催され、資格取得までの過程や心構え、資格取得後に大切なことを学ぶことができました。

 

【 CTA試験 】

CTA試験には、筆記試験と口頭試験があります。

筆記試験は分野に応じて内容が異なっています。

私は「教育分野」で資格取得を目指しています。

受験にあたっては、以下の能力を示すことが求められます。

⚫ 効果的な作業(working)関係の確立 

⚫ 問題の明確化と診断 

⚫ 治療の目標あるいは変化のための計画を定義する 

⚫ 契約の確立 

⚫ プロセスとその影響に対する適切な内省 

⚫ 関連するTAの領域の状況や目標に対して適切な計画を発展させる。 

⚫ 上記の実践的適用 

⚫ 実践家として(限界に気付きながらも)自分の行動(performance)に自信を持っていること 

(日本TA協会ITAAトレイニングハンドブック 7CTA試験の概要 より)

教育を念頭に置き「TAの理念に基づき、その内容を伝えること」と理解しました。

講座を聴きながら、これまで受けた試験と違うことに気がつき、驚きました。

それは「契約の確立」で、試験官のコントラクトは仲間を増やすことであり、不合格者を出すことではない、ということでした。

そのために必要なのは、単なる知識ではなく、人としてしっかりした考え(軸)をもって、その考えをしっかり伝えるられることだ、ということでした。

そのためには、

わからないことはわからないとはっきり伝えて聞き返す、
自分はこのように考えていると意見を述べる、
このようなやりとりを Adult を働かせて行う、
スクリプトに入ることなく、万が一スクリプトに入ってもそのことをすぐに自覚し立て直す、

そのような能力が必要だとわかりました。

これは自分にできていることと思いましたが、実際にはまだまだ未熟であることも気づけました。

そして、「実践的適用」は、まさにこれからどうするのか、どんな世界を作り出すのかが問われていることで、その先の世界があるからこそ今の自分が目指す「TA」が見えてくるのだと思いいたりました。

これまで、なんとなくぼんやりしていた「私にとってのTA」を改めて認識し、自分がTAを学んでいる意味とその先にあるものを考えてみました。

そして、考えるだけでなく、それを言葉で伝えられる、説明できるようになることを、明確なビジョンとして意識しました。

そう考えたときに、自分の進む道が明らかになってきました。

自分にとってTAは、自分自身は何者であるのかを知るためのツールであり、自分の生きる軸になるものです。

人は、自分の人生を生きていくうえで、楽しいこともあれば困難もあります。

困難にぶつかったときに、その都度落ち込んでばかりいられません。
失敗したと捉え、その場に立ちすくむことなく、思い通りに行かなかった事実を受け入れ、じゃあどうしよう、と切り替えられるマインドを醸成するための拠り所としてTAはとてもシンプルで分かりやすいものです。

私の思考パターンにとてもマッチしているといえばよいでしょうか。

以前の私は HowTo に頼る傾向がありました。

やり方を知っていれば、その場面を切り抜ける大きな力となりますが、状況が少し変わってしまえば、応用はなかなか効きません。

TAで教えているのは HowTo(やり方)ではなく Being(あり方)や根本的な軸となる考え方なので、それを理解することは、発展的に考える礎になります。

しかも、TAの基本的な理論はシンプルで理解しやすいものです。

理論ひとつひとつは奥深く、学ぶものとしては深い考察が必要だと感じています。
しかし、日常に活かすためのツールとしては、わかりやすいものだと思います。

そのわかりやすさを、TAを知らない人に届ける、説明するのは難しい作業です。

そのハードルを越えるためにCTA試験があるのではないかと思っています。

最初に受ける筆記試験。
筆記試験で書く内容そのものがTAのわかりやすさを伝えるものになっていました。


【 筆記試験 】 

筆記試験は、4 部門から成っています。

A.候補者の自己像と Transactional Analyst としての仕事 

B.TA トレイニングを通して得た学習経験と、個人的成長に関する報告 

C.クライエントの事例または企画研究 

D.理論と文献。候補者は TA 理論と実践に関する 6 つの質問に必ず答えること 

これらを書くことで、自分の進む分野の中核能力を統合していることを示し、また理論的基盤を持つ者としていかに効果的かつ倫理的に仕事をしているかを示すことが求められています。

逆に考えると、自分の目指す先を言語化するために筆記試験があるのだといえ、これほど有意義な試験はありません。

試験というより、自分自身を成長させるための一つのツール、羅針盤を作るのだともいえます。

試験を受けるのにこのようなワクワク感を感じたのは初めてです。

 

【 口頭試験 】

筆記試験に合格すると口頭試験があります。

筆記試験を書き始めたばかりの私にとって、口頭試験はとても遠い存在でした。

それが講座の中のワークショップを見て、普段の自分の考え方、話し方の「くせ」に気がつきました。

それは、誰かと「やりとり」をする中で注意する必要のあるものでした。

それに気がついたとき、口頭試験に必要なノウハウでありながら、今から訓練するステップが見えたことで一気に目の前のドアがひとつ開けられた感じがしました。

しかも、筆記試験と口頭試験は連動しており、私という人を見てもらい、TAの世界の中で評価してもらうことに、不安よりもワクワクするものを感じます。

 

【 試験に向けて 】

これまでは、しっかり準備をして、しっかり書かねばならないと思っていた筆記試験が、まずは書いてみて、その後で整理すればよい、という意識に変わりました。

今までに経験したことのない試験対応に、とても心地よくすがすがしい気持ちをもたらしました。

まずは自分を知ってもらう、そのためには、まとめて一気に書くというよりは、自分が行っていること、TA視点で気がついたことを書き連ね、それを整理することが、結果的に筆記試験の解答になるのだと、今はイメージしています。

まずは、「書くこと」

そこからスタートする!

そして、筆記試験、口頭試験は自分の描く未来を整理し、通過した先には、自分の目指す世界が、より明確になり拡がっていくのだと感じています。

 

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