先月6月はTAの大きなイベントに2つ参加しました。
ひとつが、6月3日(金)の日本時間23時から始まった
国際TA協会(ITAA)の第1回オンライン・カンファレンス
もうひとつが
日本TA協会第34回大会
です。
特にITAAのオンライン・カンファレンスは、私が生まれて初めて参加する国際大会でした。
英語が苦手な私にとって、英語だけのカンファレンス出席は大きな冒険でした。
ただ、TAを学ぶ身としては、とてもワクワクするものでもありました。
今回はその体験から感じたことを書いてみたいと思います。
【 国際大会への参加 】
今回のオンラインカンファレンスのテーマは、
COURAGE, PHYSIS AND RESILIENCE:
Resourcesfor a New Emerging World
(勇気、フィシス(Physis)、そしてレジリエンス: 新しい世界のためのリソース)
新型コロナウイルスによるパンデミックとウクライナでの戦争の発生という、想像できない規模の恐ろしい経験は、全世界に影響を及ぼしました。
私にとっても、「絶対にありえない」ことが起きた。そんな感覚です。
絶対にない、と言うことはないんだと強く感じているこの2年です。
今回のカンファレンスは、そのような状況に対して、TAを学ぶ科学コミュニティとして、知識を共有し、訓練し、他の人の視点を聞き、私たちが直面している深刻な課題について考察する機会でした。
その中で、参加者一人一人の身体を活性化させ、困難な時代に適応するために勇気と回復力を発揮できるようにすることを目標としていました。
4つの基調講演のほか、60のワークショップが行われました。
日本時間の6月3日23時から6月5日22時まで48時間にわたり休憩をはさみながら
断続的に開催。
さすがに、日本時間の深夜に開催されているワークショップは出られませんが、
基調講演3つ、ワークショップ8つ 参加しました。
参加したのは以下の通り
3日 23:00~0:45 オープニング、基調講演1
4日 10:15~23:00 基調講演2、ワークショップ 5つ
5日 8:15~22:30 ワークショップ 4つ、基調講演4、クロージング
1日フルに参加したことはこれまでもありましたが、2日間続けての参加はこれまでなかったので、かなり疲れました。
初日は、これから始まるんだという興奮と同時通訳を聴くことに対して疲れ、そして深夜だったのもあり、ぐっすり眠れました。
2日目は2時間のワークショップ(45分休憩)に連続して参加したので、途中からかなりの疲労を感じましたが、ギリギリ集中力を保って終了。
相当な疲労感のなか眠りにつきました。
3日目は、前日の疲労が残っているスッキリしない感じでしたが、残りのワークショップに参加。
クロージングまで予定していたすべてのワークショップに参加できました。
すべてが終了したその日の夜もですが、翌日も疲労が残り、しばらく経験していなかった脳内疲労でかなり疲れていました。
身体を動かしたわけではありませんが、頭を使うとこんなに疲れるんだということを改めて感じました。
正直、全ての講演が頭に入ってきたかというとそんなことはなく、
「参加することに意義がある」
まさにそんな感じでした。
ワークショップとワークショップの間には45分間の休憩がありますが、45分があっという間に過ぎていきます。
45分がこれほど短く感じることはそうそうないでしょう。
時間の感覚で、「もう5分」か「まだ5分」かという話がありますが、
期間中の私には「もう45分」でした。
各ワークショップでは、必ずブレイクアウトルームに分かれてのグループセッションがあったので、気を休めるわけにいかず、内容をしっかり聴いて何とかついていく感じでした。
その場その場では、感じたこと、気がついたことをグループで話しましたが、そこまでが精一杯で、「理解する」までは至りませんでした。
今回、ITAAのカンファレンスに初めての参加だったので、事前登録したものは参加しなくてはならないと思い、すべて参加しました。
あとで先輩方に話しを聞くと、疲れたら休んでもいいんだよと言われた時には、「あ~、そうだったんだ」という気持ちと「予約したからには参加して当然」が心の中で揺れ動いていました。
今思えば、そこまで気持ちを張り詰めることなく、肩の力を抜いて、興味のあるものに参加すればよかったと感じます。
これもとても貴重な体験でした。
【 同時通訳 】
今回、オンライン・カンファレンスに参加して一番の収穫は「通訳」の大切さを感じられたことです。
国際大会と言うこともあり、すべての公演は英語でのスピーチでした。
私の英語力はディスカウトなしで平均以下、聞き取りはほぼ無理です。
オープニングだけ、通訳なしで聴いてみましたが、ほとんど聴き取ることはできませんでした。
今回のカンファレンスは zoom で開催されていたので、常に日本語の同時通訳が使えるようになっていました。
そのため、日本語で聴くことができました。
ただし、日本語であっても聴くことが精いっぱいで、内容を理解することは困難でした。
通訳の方はTA心理学に通じている方ばかりではないため、専門用語の訳し方や捉え方がずれてしまい、わかりにくい日本語として訳されます。
そのため、スピーカーが伝えたい主旨以前に、日本語として何を言っているのかを理解しようとしてしまっていました。
通訳が間違っているということではなく、専門外の人が専門知識を要する話をする難しさを、改めて感じました。
ITに詳しくない人が、IT用語満載で話されても「なんのこっちゃ」となってしまうように、TA用語を知らない人がその言葉を訳すことはすごく大変だと思います。
そこは理解しつつも、私自身が内容を理解することに大変労力を要していたのもまた事実で、通訳を通す難しさを痛感しました。
また、通訳の方は何名かいらっしゃいましたが、人によってしっくりくる人と馴染めない人がいました。
これは、通訳との相性の問題と言うことを先輩から聞きました。
通訳者のリズムや言葉選びが自分と合うかどうか、これは人によって違うので、これから自分が通訳を通して試験を受けるときには、フィーリングの合う人を見つけることが大切だということがわかりました。
複数の通訳の方を体験する機会は多くないので、これもとても良い経験となりました。
一番良いのは自分が英語をマスターすることですが、それは遠い道のりに感じます。
でも、ワクワクする気持ちはあり、学生の頃みたいな「やらされ感」はないので、近い将来英語で話し、理解することできる日が来るだろうと信じています。
【 国際大会の変化 】
今回の国際大会はオンラインでした。
私が最初に国際大会に参加する予定だったのは2020年ロンドン大会でした。
それが、コロナの影響で中止になり、昨年も中止となりました。
ITAAでは、様々なセッションや試験がオンラインで行わるようになり、カンファレンスも初のオンライン開催となりました。
これまで、旅費を使って現地に入り、ホテルを取って数日過ごすのが当たり前だったのが、オンラインになると、時間と空間を超えるので、会場まで行く手間がなくなり、そして何より費用が格段に安く抑えられます。
参加者にとってこれは大きなメリットでした。
ただ、オンラインは画面で顔を合わせるだけで、休憩時間は自分一人で過ごすことになり、休憩時間中の他の方との交流は期待できません。
リアル(対面)の講演会に参加した際には、休憩時間中に初めての方とも談笑して、親交を深めることができます。
そのデメリットはいかんともしがたいところですが、今後休憩時間の過ごし方も提供されるとより良いなぁと感じます。
今回、初めての国際大会(カンファレンス)に参加しましたが、同じTAを学ぶ人たちが一堂に介する場に居られたことは貴重な体験となりました。
コロナ禍がおさまれば海外の大会にリアル参加もできます。
そのような機会にはできるだけ参加し、これからも経験を重ねたいと思います。